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ワープロで考える 未来を予想すること変化に対応すること

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先日、中小企業診断士の協会イベントで、大阪・関西万博で行われているSDGs共創チャレンジをイメージして、2030年の未来を考えるイベントに参加してきました。

10年後の未来を考えることはとても難しく、でも学びや気づきも多い内容でした。皆さんも、占いなどで未来を知りたい気持ちはあると思いますが、時間軸が遠くなればなるほど現実味が無くなってきてしまいます。

企業活動においては、計画や見通しを立てる機会は多く、未来を考えることは必要になると思いますので、本日は、イベントで学んだことを整理していきたいと思います。

未来を予想するということ

未来を考えることは、短期(1年程)、中期(3~5年程)、長期(5年以上)問わず、未来を考え舵取りを行うことが必要になります。とはいえ、期間が長くなればその難易度は飛躍的に上がります。

近年ネットで公開された面白い記事があり、少し紹介をさせて頂きます。内容は、DIME様が平成元年(1989年)に企業に対して、「ワープロは、いずれなくなるのですか?」と公開質問状を行った各社の回答となります。今から30年ほど前なので、今を知る人から見るとどれくらい差があるのかを見て取ることができます。

  • NEC:ワープロは文書を書く機械として特化されていますから、その必要性はなくならないんじゃないかな。ただ、パソコンとワープロは分解すれば同じもの。基本的にはイコールなので、どちらかが消えることになってもそれは単に名前が変わっただけってことになると思います
  • キヤノン:ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう
  • シャープ:人間の扱う道具は使いやすいことがいちばんだと思いますから、ワープロは文書専用機として残るでしょう
  • 東芝:そんなこと誰が言っているのですか。パソコンとワープロはこれからますます共存共栄していきますよ。今はワープロとパソコンの台数がほぼ同数ですが、将来的には、ワープロ10に対してパソコン1ぐらいの割合になると思います
  • 富士通:たとえば車の会社を考えてみてください。セダンをワープロとすれば、パソコンはトラックに相当します」
  • 松下電器:5年前、パソコンの普及台数は100万台、今は120万台と伸びはゆるやかです。一方、ワープロは30万台が280万台にまで伸びています。この数字を見ただけでも、パソコン社会よりワープロ社会到来の方が早いと考える材料になります」

如何でしたでしょうか。

30年も前のコメントをどうこう言うつもりはありませんが、今振り返ると差があることは感じて頂けると思います。それだけ30年後の未来、特に技術進歩の早い領域であればあるほど、予測するのは難しいのだと思います。

話は少し変わりますが、私は以前に、個人向けの住宅販売で営業を行っておりました。その際に必ずと言っていい程聞かれるのが「どのローンが一番お得ですか?」という内容です。住宅を購入する際は、ほとんどの方が長期(30年~35年)の住宅ローンを組みますので、今後金利が上がるのか下がるのかで、どの商品を選ぶと金利の支払いが一番小さくなるかが分かれます。

ただしこの質問の答えは35年度、つまりローンが支払い終わってからであれば計算可能ですが、35年後の未来を予測することは難しいので、私は「35年間の金利がわかっていれば、サラリーマンなんかやっていません。その時の状況を見てベストと思える商品をご検討ください。」と回答を行っておりました、

未来を予測するより大事なこと

未来を考え会社や自分の行動を変えることは、大事なことだと思いますが、前述のとおり長いスパンで見れば未来予想図はまずその通りにはならないと考えます。これは既存の延長線上で遠い未来を考えたとしても、既存の延長線上にない変化が起こることによる影響が多いのだと思っています。

では、未来を予測することに意味はないのでしょうか。私は予測それ自体よりも、考えるプロセスにとても大きな意味があると思います。

これは予想して当たった、当たらなかったを見るのではなく、どのような変化が起こる可能性があるのか?、それにどのように対応していくのか?を考えること、つまり変化を捉えて対応していくことが一番大事なのだと感じています。

最後に

事業環境は常に変わっていくものですので、昨今ではコロナウィルスによって、様々なことに変化が求められました。未来を予測することは難しいですが、このような変化に柔軟に対応できるように、私自身も試行錯誤を行っております。

参加したイベントでも、こんなこと起こるのか?という未来の姿が出てきましたが、2030年になって振返ってみたら近いことが起こっているのかもしれません。

皆さんもお時間ある時に、変化の波を感じながら、ワクワクする未来をイメージしてみてはいかがでしょうか。思わぬ発見があるかもしれません。

それではまた。

アンドファン株式会社

中小企業診断士 田代博之

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